一口に「ボツ」と言っても、様々な種類がある。
- 頭に浮かんだときはよかったものの、アイディアスケッチやイメージと違いすぎて下描きまで行かなかったもの
- ストックを作ろうと下描きまで作ったが、ラフの時とくらべて納得が行かなかったもの
- 同様にペンを入れたらコレジャナイになったもの
- 色を載せたら形の歪みや崩れが酷く、一からやり直したほうが早いと思ったもの
下のほうに行けばいくほど、アウトプットに費やした時間が無駄になるが故、納得が行かなかったら早めにボツにしてしまうか、最近ではいくつか代案を出して出来るだけ回避するようにしている。とくに今年(2022年)の6月は30枚描くという自主目標を作ったため、これを避ける練習も行った。その結果かどうかは分からないけど、ここ数ヶ月は以前よりも完成作品が増えたと感じている。
画像はボツが多かった頃と自主目標を作っていた頃の比較。以前はとにかく完成までたどり着かないで投げてしまっている。そのためにノルマを作っていたわけだけど、最初は質よりも完成優先で、慣れてきたら描けるキャラはワンドロを活用、時間に余裕があるときは下描きをつくっておく…というように徐々にステップアップしていった。
特に影響が大きかったのは「ラフや下書きでも丁寧に描く」「透視図を描いたり見えない部分を描く」という点。前者は今までラフ=適当ぐらいだったのを、少しづつ削りだして彫刻のように形にしていくというやり方。あとから見たときにイメージし辛いという欠点が減り、修正も行いやすくなったのでこれは大きかった。後者はデッサン崩れや狂いの確認。面倒くさいと思わずにしっかりとチェックを行う、パーツをしっかり突合させズレを作らないようにし、ラフ→下書きの作業が行いやすくなった。
そしてボツになったものはときどきチェックして、「今の自分なら描ける」と念じて使えるものは再利用してみたりもしている。時間をかけたものは何がダメだったのか考えて実際にサルベージしたものから完成にこぎつけたものもある。ボツになっても陽の目を見ることがある、ということだ。
例えラフでも手間を惜しまない、横着をしないことでボツを発生させにくくすることは出来る。ウサギとカメでいうなら間違いなくカメ。そんな気持ちも必要であると、身をもって経験した。